FERRO(フェロ)は、Slackline Researchが素材から選び抜いたスチールカラビナです。35CrMo合金鋼(SCM435クロモリ鋼)製、MBS 35kN。実測サンプルでは42kN超を記録しました。ゲートは2アクションのツイストロック式。閉じれば自動で施錠され、締め忘れが起きません。ノーズはキーロック形状で、ウェビングやリギングプレートへの引っかかりがなく、着脱がスムーズです。
Material — 35CrMo
FERROの本体とゲートは、35CrMo合金鋼。日本ではSCM435、いわゆるクロモリ鋼と呼ばれる素材です。エンジンのクランクシャフトや航空機の部品——壊れることが許されない場所で使われ続けてきた鋼材です。一般的なスチールカラビナに使われる炭素鋼との違いは、モリブデン(Mo)が入っていること。この元素が、強さだけでなく「粘り強さ」を生みます。急な衝撃を割れずに受け止め、繰り返しの荷重にもへたらない。カラビナに求められる性質そのものです。
素材の比較
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FERRO 35CrMo(クロモリ鋼)
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一般的なスチールカラビナ 40Cr(炭素鋼)
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| 素材の強さ |
985 MPa |
810 MPa |
| 衝撃への粘り強さ |
高い。モリブデンの働きで、急な衝撃を割れずに受け止める |
標準的 |
| 繰り返し使用への強さ |
高い。何度荷重がかかってもへたりにくい |
標準的 |
| 使える環境 |
-100℃〜500℃。真冬も炎天下も性能が変わらない |
-40℃〜200℃ |
| 使われている場所 |
エンジンのクランクシャフト、航空機部品 |
歯車、一般機械部品 |
同じ「スチールカラビナ」でも、鋼材のグレードが一段違います。この素材の差が、MBS 35kN(一般的なスチールカラビナは25kN前後)という強度の差になっています。
Strength
実測サンプル値
メジャーアクシス 42.63 kN。製造元による材料力学性能試験(2025年7月実施)の結果です。MBS表記に対して約21%の余裕を実測で確認しています。
MBS(Minimum Breaking Strength)は破断強度の最低保証値です。実測サンプル値は特定サンプルの試験結果であり、全数を保証するものではありません。
Keylock Nose
ゲート先端に溝もツメもない、滑らかなキーロック形状。安価なカラビナに多いフックノーズは、ゲート先端のツメを本体側の溝に引っかけて閉じる構造のため、ウェビングやスリング、リギングプレートの穴に引っかかります。キーロックはその引っかかりが構造的に発生しません。設置と撤収を繰り返すほど、この違いが効いてきます。
Features
キーロックノーズ
溝やツメのない滑らかなゲート先端。ウェビングやリギングプレートへの引っかかりが発生しません。
ツイストロックゲート
2アクションのオートロック機構。ゲートを閉じると自動で施錠されるため、スクリュー式のような締め忘れが起きません。開閉の多い作業でも片手でスムーズに扱えます。
オーバル形状
上下対称の楕円形。荷重が中心軸に乗りやすく、スリングやリギングプレート、プーリーとの相性に優れます。
サンドブラスト仕上げ
マットシルバーの落ち着いた質感。塗装ではないため色剥げがなく、使い込むほど馴染みます。
識別シリアル
全ロットに識別シリアルを刻印。製造ロットの追跡が可能です。
製造工場
EN 362 / EN 12275認証の取得実績があるコネクター専門工場で製造しています。本製品自体は認証品ではありません。
Spec
素材
35CrMo合金鋼(SCM435 / クロモリ鋼)
MBS
縦 35 kN / 横 7 kN / ゲートオープン 7 kN
サイズ
全長 109 mm × 幅 55 mm(線径 16 mm)
ロック方式
ツイストロック(2アクション・オートロック)
ノーズ形状
キーロック(引っかかりのないスムーズ形状)
刻印
強度表記・識別シリアル(表面)/ Slackline Researchロゴ(裏面)
Safety Notes
カラビナの強度は荷重の方向で大きく変わります。35kNはメジャーアクシス(縦・ゲート閉時)の値です。
- 荷重は必ず縦方向にかかるようセットしてください。横向き(マイナーアクシス)の強度は7kNまで低下します。スリングの取り回しやリギングプレートとの接続では、カラビナが回転して横荷重にならないよう配慮が必要です。
- トリロード(3方向からの同時荷重)は避けてください。カラビナは2点間を結ぶ接続具であり、3方向に引かれる状態では想定強度を発揮できません。複数のスリングを1点にまとめる場合は、シャックルやリギングリングの使用を検討してください。
- ゲートが開いた状態の強度は7kNです。使用前にロックを確認してください。
- 本製品はEN 362 / EN 12275の認証を取得していません。墜落制止用器具(フルハーネス等)の構成部品としては使用できません。身体に直接つながる用途にはPPE認証品をお使いください。
- 変形・深い傷・ゲートの動作不良が見られた場合は、直ちに使用を中止してください。
- 本製品の使用は、使用者ご自身の知識と責任において判断してください。
FAQ
Q. 35CrMoは他のスチールカラビナと何が違いますか?
A. スラックライン用として流通するスチールカラビナの多くは炭素鋼(40Cr等)製で、MBSは25kN前後です。35CrMoはモリブデンを加えた一段上のグレードの合金鋼で、素材の強さに加えて、急な衝撃を割れずに受け止める粘り強さと、繰り返しの荷重にへたらない耐久性を持ちます。FERROはこの素材でMBS 35kNを実現しています。
Q. キーロックノーズとは何ですか?
A. ゲート先端の形状の違いです。一般的な安価なカラビナは、ゲート先端のツメを本体側の溝に引っかけて閉じる「フックノーズ」構造で、この溝がウェビングやスリング、リギングプレートの穴に引っかかります。キーロックノーズは溝のない滑らかな凹凸で噛み合うため、着脱時の引っかかりがありません。設置・撤収の回数が多いほど、この差が効いてきます。
Q. ツイストロックとスクリューロックはどう違いますか?
A. スクリューロックは手でスリーブを回して締める手動式で、締め忘れのリスクがあります。ツイストロックはゲートを閉じると自動で施錠されるオートロック式で、締め忘れが起きません。開ける際はスリーブを回してからゲートを押す2アクションが必要です。
Q. CE認証は取得していますか?
A. 本製品は認証を取得していません。製造は EN 362 / EN 12275 認証の取得実績があるコネクター専門工場で行っており、素材と強度は試験成績書で確認していますが、製品として認証は受けていません。認証が必要な用途では認証品をお使いください。
Q. 錆びますか?
A. 35CrMoはクロムを含むため一般的な炭素鋼より耐食性に優れますが、ステンレスではありません。濡れたまま放置すると錆が発生する場合があります。使用後は水分を拭き取り、乾燥した場所で保管してください。