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HELIX FLOWは、短い距離でトリックを楽しむためのスラックラインバンジーです。バンジーが生み出す大きなバウンスによって、これまで長いラインがなければできなかったトリックを、わずか数メートルの短いトリックラインでも可能にします。このガイドでは、バンジーの仕組みから、距離や体重に合わせた選び方、使い方までを実際のフィールドテストのデータとともに解説します。

わずか数メートルの短いトリックラインでも、20m級のラインに匹敵するダイナミックなトリックが楽しめます。HELIX FLOWが生み出すバウンスの一例です。

スラックラインバンジーとは

スラックラインバンジーとは、ラテックスゴムを束ねてアンカーとラインの間に組み込む、伸縮性のある装置です。ゴムが伸び縮みすることで、ラインに大きな「バウンス(弾み)」を生み出します。

最大の特長は、短い距離でも本格的なバウンスが得られること。通常のトリックラインでは20m以上の長さが必要なダイナミックな動きを、わずか6〜10mの短いラインでも実現できます。

もうひとつの利点は、低いテンションでバウンスが作れること。ラインを強く張らなくても弾むため、アンカー(木や支柱)や体への負担が小さく済みます。HELIX FLOWは、このトリックライン用途に特化したバンジーです。

なぜトリックラインにバンジーを使うのか

バンジーをトリックラインに加えると、次のようなメリットがあります。

  • これまで短すぎて使えなかった場所でも、ダイナミックなトリックが楽しめる
  • 短い距離でも大きく沈み込むため、シットマウントなどの習得がしやすい
  • 落下の衝撃が和らぎ、より安全になる
  • ラインを強く張らなくていいので、アンカーや体への負担が軽くなる
  • これまで不可能だったトリックへの、新しい可能性が広がる

「練習場所が短い」「もっと高く跳びたい」というトリックライナーの悩みを、バンジーがまとめて解決してくれます。

バンジーの仕組み(ストロークとポップ)

バンジーの乗り心地は、「ストローク」「ポップ」の2つで決まります。

ストローク
沈み込む深さ(どれだけ深く沈めるか)
ポップ
弾き返す力(どれだけ強く跳ね返すか)

この2つは、ループ数(バンジーを折り返す回数)で調整します。

ループを増やす
硬めになり、ポップ(弾む力)寄りに
ループを減らす
柔らかめになり、ストローク(深い沈み込み)寄りに

その間に、ポップとストロークが両立する“ちょうどいいループ数”があります。まずはループ数で大まかに合わせるのが基本です。

あとは、ラインのテンションを適正に合わせること。緩すぎるとバンジーが活きず、張りすぎるとバンジーが伸びきって底づき(一度沈んでからガツンと止まる現象)します。ちょうどいいテンションに合わせることで、バンジー本来のバウンスが引き出せます。

ループの作り方

距離に合わせたループ数の選び方

ライン長によって、最適なループ数があります。下の表は、HELIX FLOWを体重58kgのトリックラインでフィールドテストした結果を基準にした目安です(両側に1個ずつ=2本セットの場合)。

ループ数(2本セット) ライン長
3ループ 〜6m
4ループ 6.5〜7m
5ループ 7.5〜10m
6ループ 10.5〜13.5m

硬すぎる・ストロークが出ないときはテンションを緩め、底づきするときはループを増やすか本数を増やします。気温や体重によって最適なループ数は変わるため、あくまで目安としてご覧ください。

体重・気温による違い

体重で最適が変わる

体重が軽い方は、ラインを十分に沈ませられず「硬い・ストロークが出ない」と感じやすいです。その場合はテンションを緩めると、しっかり沈み込んでストロークが出るようになります。緩めてもポップの弾みは活きるので、軽い方ほどテンションを抑えめにするのがおすすめです。

逆に体重が重い方や高く跳ぶ方は、沈みすぎてバンジーが伸びきり、底づきしやすくなります。この場合は、両側に2個ずつ(合計4本)使うのがおすすめです。バンジーが増えることで力をより多くのゴムで吸収でき、底づきしにくく、深いストロークが得られます。

なぜ本数を増やすと底づきしにくいのか

同じ強さで踏み込んでも、ゴムの量が多いほど、その力をより多くのゴムで吸収できます。そのため伸びきりに達しにくく、底づきの「ガツン」という衝撃が体に返ってきません。重い方・高く跳ぶ方には、バンジーを多めに使う構成が向いています。

気温で硬さが変わる

感覚とは逆で、バンジーは夏に硬く、冬に柔らかくなります(天然ラテックスの性質によるものです)。気温が大きく変わったときは、テンションよりもループ数で合わせ直すのがおすすめです。同じ距離でも、季節によって最適なループ数が変わることがあります。

長持ちさせるメンテナンス

接触部を保護する
スリングとバンジーが当たる部分にツリープロテクターなどを巻くと、摩擦によるカバーの摩耗を大幅に減らせます
スリング位置を毎回変える
毎回同じ場所で巻くと一点に摩耗が集中します。位置を少しずつずらすことで寿命が均等に延びます
保管方法
直射日光・高温環境での長期保管を避け、使用後は乾燥した日陰で保管してください

もっと本格的に使いたい方へ

HELIX FLOWは、短いトリックラインを手軽に楽しむのに最適です。一方で、ありとあらゆるトリックラインを極限まで攻めたい方や、ハイラインフリースタイルで使いたい方には、より大きなフルサイズバンジー「HELIX PRO Mk2」という選択肢もあります。ゴムの量が多く、距離や体重をあまり気にせず幅広いラインに対応できますが、こちらはかなりニッチで、ほとんどの方はHELIX FLOWで十分に楽しめます。

よくある質問

Q. スラックラインバンジーは何のために使うのですか?

ラインに大きなバウンスを加えるためです。短い距離でも本格的なトリックができるようになり、落下の衝撃も和らぎます。HELIX FLOWはトリックライン用途に特化したバンジーです。

Q. ループ数はどう決めればいいですか?

ライン長に合わせて選びます。目安は3ループで〜6m、4ループで6.5〜7m、5ループで7.5〜10m、6ループで10.5〜13.5mです。硬すぎるときはテンションを緩め、底づきするときはループや本数を増やします。

Q. 底づきしてしまいます。どうすればいいですか?

底づきは、バンジーが伸びきって起こります。テンションが張りすぎているか、体重に対してバンジーが足りていない状態です。テンションを緩めるか、ループ数や本数を増やして、伸びしろを確保してください。

Q. 夏と冬で感覚が違うのはなぜですか?

天然ラテックスの性質で、バンジーは夏に硬く、冬に柔らかくなります。気温が大きく変わったときは、テンションよりループ数で合わせ直すのがおすすめです。

Q. 何本必要ですか?

両側のアンカーに1個ずつ、合計2本が基本です。体重が重い方や高く跳ぶ方は、両側に2個ずつ(合計4本)使うと底づきしにくくなります。

Author

大杉徹
大杉 徹(Slackline Research)

日本人初のスラックライン・ワールドカップチャンピオン。ハイラインフリースタイルの普及と、安全で高性能なギアの開発・提案を行っています。バンジーは数多くのラインで実際にテストを重ね、距離・体重・気温ごとのデータを取っています。

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